ニキビの種類・重症化させないためのセルフケア

一言でニキビといっても、初期段階から非炎症性の白・黒ニキビへ、さらに赤ニキビや白ニキビのように炎症性のものまで、重症度によっていくつかの段階に分かれます。
ニキビの段階によって、効果的な薬用成分や対処法も変わりますが、一般的に、さまざまな種類のニキビが混在しているの実情。
市販のニキビ対策のクリームには、さまざまな薬用成分が配合されていますが、すべてのニキビに効果があるわけではなく、また使う人の肌質にあうとはかぎりません。
ニキビケアのクリームを使いつづけても、症状が改善しなかったり、逆に悪化していくようであれば、すぐに使うのを止めましょう。
炎症がないニキビであれば、日常の生活習慣やスキンケアをみなおすことで改善することがありますが、炎症をともなうニキビのように重症化していくようであれば、専門クリニックなどで診てもらうことをおすすめします。
ニキビの重症度とセルフケア
まずは、重症度から、ニキビの種類を確認します。
重症度によるニキビの種類
ニキビは、症状の進行度によって、おもにつぎのように分類されます。白ニキビ⇒黄ニキビへ向かって、重症度が上がっていきます。
- 白ニキビ
・皮脂が毛穴につまった状態で、小さな白い点に見えますが、内部では、毛包(もうほう)が広がり、アクネ菌が増え始めます。 - 黒ニキビ
・白ニキビの毛穴が開いて、メラニン色素や酸化した皮脂などによって黒く見えます。シミや小さなホクロのようなので、見た目が気になります。 - 赤ニキビ
・コメドが悪化し炎症が起きた状態で、毛包(もうほう)内では、アクネ菌の増殖が盛んになり、炎症を引き起こすさまざまな物質がつくられています。 - 黄ニキビ
・赤ニキビがさらに悪化し、炎症が激しくなり、黄色い膿(うみ)がたまった状態です。毛包が壊れると、炎症をおこす物質がまわりに広がり、重症化すると、ニキビ痕(あと)ができてしまうことも。
白ニキビや黒ニキビは、コメド(面ぽう)と呼ばれ、まだニキビがはじまったばかりの状態。
炎症がおきていない段階であれば、市販の塗り薬をつかいながら、生活習慣やスキンケアをみなおすことで改善することもできます。しかし、症状が改善しない、あるいは悪化するようであれば、はやめに専門クリニックで診てもらいましょう。
ニキビ予備軍・マイクロコメドとは
白ニキビや黒ニキビは、コメド(面ぽう)と呼ばれますが、じつは、コメドになる前に、マイクロコメド(微小面ぽう)と呼ばれる状態があります。
マイクロコメドとは、まだ目には見えませんが、毛穴の出口が狭くなり、すでに皮脂がつまり始めている状態で、いわばニキビの予備軍です。
ニキビは数種類が混在している
ニキビが気になるときは、すでにさまざまな種類のニキビができていると考えたほうがいいようです。
赤ニキビのように、炎症性炎症を引き起こす物質を活発につくるニキビがあると、化膿(かのう)して、ニキビが増える原因になります。
はじめは炎症のないコメドでも、放置することで化膿したニキビとなってどんどん増えていきますから、結果的に、さまざまな種類のニキビが混在することになるわけです。
ニキビをできにくくするためのスキンケア
炎症があるニキビなどが多く、すでに悪化している状態であれば、専門クリニックで診てもらうことをおすすめしますが、そうなる前に、ニキビができにくいスキンケアを心がけましょう。
ポイントは、つぎの3つです。
- 肌を清潔にする
・皮脂や汚れによって毛穴がつまると、コメドになる前のマイクロコメド(微小面ぽう)ができやすくなります。肌の清潔を保つのがポイントですが、洗いすぎると肌に必要な皮脂まで落とし去ってしまうため、逆に皮脂が過剰に分泌されてしまうので要注意。 - 油分とのバランスを考えた保湿をする
・保湿といっても、油分が足りないと肌が乾燥しやすくなり、バリア機能が低下します。バリア機能の低下によって、ニキビができやすくなりますので、保湿は油分とのバランスが大切です。 - 肌への刺激をさける
・肌への余計な刺激は、ニキビ悪化の原因になります。洗顔時、油分を落とそうとして強い洗顔料を使い、ゴシゴシ擦るなどは禁物。洗顔後は、柔らかいタオルでやさしく押し当てるように拭き取ります。
大人ニキビは生活習慣の見直しを
ニキビは、ふだんからの生活習慣とも深い関係があります。
思春期ニキビは、二次性徴期にともなう活発な皮脂分泌が原因ですが、成長とともにおさまっていきます。しかし、大人ニキビは、ストレスや睡眠不足、かたよった食生活などが原因として考えられます。
大人ニキビをつくりたくない方や大人ニキビができたときには、栄養バランスのとれた食事をする、意識して身体を動かす、睡眠不足やストレスの蓄積を防ぐなど、身体そのものを健康的な状態に近づけるケアが必要です。
大人ニキビは、20代後半~30代になると、生理前、顎やフェイスラインなどに、周期的にぽつんとできることがあります。大人ニキビは、同じような場所に繰り返しできるのが特徴で、おもな原因はホルモンバランスと考えられています。
まとめ
ニキビには、「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」の2種類があるといわれますが、重症度が高いほど治療がむずかしくなることは同じです。
まだ炎症がおきていない「白ニキビ」「黒ニキビ」の段階で、しっかりケアをしておきたいところです。
欲をいえば、気づきにくいマイクロコメド(微小面ぽう)や、コメドができる前の段階で、正しいスキンケアをおこない、ニキビの予備軍をつくらないのがベストです。
ニキビ対策のケアクリームには、薬用成分のほかにもさまざまな成分が配合されていますが、とくに大人ニキビの場合、保湿に重点をおいた配合のものを選ぶとよいでしょう。
油分が気になるからといって、強い洗顔をしてしまうと、肌が乾燥しやすくなります。
お肌にあうニキビ対策のケアクリームを使いながら、じょうずな洗顔とあわせて日常の生活習慣をみなおすことをおすすめします。