酸化ストレスとは?活性酸素のお肌への影響と対処法
酸化ストレスは、活性酸素(ROS:Reactive Oxygen Species)の産生が過剰になったり、抗酸化酵素や抗酸化物質から防御するメカニズムの機能が低下することによって起こります。
お肌が酸化ストレスを受けつづけると、シワやシミ、たるみなどの肌トラブルによって、皮膚の老化が早まります。金属が錆びるのと同じ。
活性酸素は活性が非常に高いので、さまざまな物質と結合しやく、タンパク質を酸化させたりDNAを傷つけますから、肌トラブルだけでなく、がん、心血管疾患、生活習慣病などの原因にもなるので、早めのケアがとても大事です。
活性酸素が増える要因と肌への影響について
生命活動にかかせないのが酸素ですが、とりこんだ酸素の一部(数%と考えられているようです)は反応性の高い活性酸素になります。
活性酸素には、細胞伝達物質や免疫機能としての働きもありますから、まったく無いほうがよいというわけではありません。
過剰につくられた活性酸素は、抗酸化酵素や抗酸化物質による防御メカニズムによって除去されますが、その機能が弱くなると、酸化還元反応のバランスがくずれ、その結果、活性酸素が体内に蓄積し、細胞や組織に酸化ストレスが生じます。
活性酸素が過剰になる要因
体内の活性酸素が過剰になる要因には、外的なものと内的なものがありますが、皮膚への影響がもっとも大きいのが紫外線です。
《外的要因》
紫外線、放射線、大気汚染、有害な化学物質、たばこ、酸化された物質の摂取など
《内的要因》
病気、炎症、精神的ストレスなど
活性酸素がつくりだす過酸化脂質による肌へのダメージ
皮膚が紫外線にさらされると活性酸素がつくりだされ、この活性酸素が細胞膜と反応して過酸化脂質を生成します。この反応は連鎖的に繰りかえるため、過酸化脂質はますます増えることになります。
生成された過酸化脂質は、皮膚の炎症、色素沈着、浮腫、壊死などを起こします。
皮脂の過酸化脂質は、20代では最小となり、その後年齢とともに増加していくようです。年齢とともに肌トラブルが増えていくのは、過酸化脂質もその一因となっているようです。
酸化ストレスを減らすための対処法
酸化ストレスは、紫外線、放射線、大気汚染、有害な化学物質などの外的要因だけでなく、病気、炎症、精神的ストレスなどの内的要因によっても起こります。
20代を過ぎると、活性酸素を除去するための抗酸化酵素や抗酸化物質による防御メカニズムが衰えていきますから、普段の生活習慣の見直しや、足りない抗酸化成分を食生活でおぎなうことが必要になってきます。
シミ・シワ、ニキビなどの肌トラブルは、炎症を抑えるはたらきがある成分や抗酸化成分が配合されたスキンケア化粧品を続けるだけで、かなり改善されることがあります。
また、シミ・シワなど、特定の症状には、メラニン色素の生成を抑える美白有効成分を配合した医薬品やサプリメントを使うもの効果的です。
酸化ストレスを減らすための生活習慣
酸化ストレスを減らすためには、なんといってもまず基本的な生活習慣を見直してみるのが一番です。
- 栄養バランスのとれた食事をとる
- タバコを控える
- 質の良い睡眠をとる
- 適度な運動をする
- 紫外線対策をしっかりする
いずれも、今日からできることばかりですが、長いあいだの生活習慣をすぐに変えるのはとても難しいですね。できることから、少しづつ変えていきましょう。以下の記事を参考にしてください。
抗酸化作用がある成分とサプリメント
抗酸化作用がある成分を、ふだんの食事からバランスよく摂ることはとても難しいかもしれません。
しかし20代を過ぎて、活性酸素を除去する機能が衰えていくようになることを考えると、同じ食生活を続けていれば体内の活性酸素はどんどん増えていくことになります。
抗酸化作用がある成分は、さまざまな医薬品やサプリメントに配合されています。酸化防止剤として使われるビタミンCもその一つ。
よく知られている成分をいくつか列挙しますが、他のはたらきがある成分や複数の成分が配合されていることが多いので、自分の体質や肌質にあったものを見つけていただきたいと思います。
アスコルビン酸(ビタミンC)、トコフェロール(ビタミンE)、アスタキサンチン、オリザノール、イチョウ葉エキス、ウーロン茶エキス、オトギリソウエキス、コーヒーエキス、紅茶エキス、チャエキス、ローズマリーエキス、フラーレン、ブドウ葉エキス、メマツヨイグサ抽出液、L-システインなど
まとめ
酸化ストレスによる肌トラブルは、すぐに症状があらわれませんから、ついケアが遅れがちになります。
20代を過ぎたら、活性酸素が体にたまっていきますから、シミやシワ、にきびなどの具体的な症状が現われる前に、はやめにケアを始めるのが酸化ストレス予防のポイントです。