過剰な紫外線ケアが健康リスクの原因に!ビタミンDの役割は?
ビタミンDが不足するなんて、まったく考えたことはありませんでした。
しかし、最近はビタミンD欠乏症の患者が増えているようです。
一説によれば、日本人の8割がビタミンD不足で、4割がビタミンD欠乏症とのこと。
ビタミンDの欠乏症は、子供ではO脚(くる病)の原因に、大人では骨粗しょう症の原因になりますから、要注意!
最近では、ガンや免疫系、皮膚や筋肉、心血管系への作用についても報告があるようですから、ビタミンDの不足はカラダ全体にかかわる問題といえるでしょう。
環境省が発表した「紫外線 環境保健マニュアル 2020」では、紫外線対策の重要性を訴えると同時に、ビタミンD不足のリスクについて説明しています。
「ビタミンD」のはたらき
ビタミンDには、カルシウムが腸から吸収されるのを助けるはたらきがあります。
そのため、ビタミンDが不足すると、充分な量のカルシウムが骨へ運ばれなくなるた、骨粗しょう症のリスクが高くなるわけです。
ちなみに、ビタミンDは、腸からのカルシウムの吸収を2~5倍にするはたらきがあるそうです。
食品からのビタミンD摂取は難しい?
ビタミンDは食品にも含まれてますが、特定の食品にかたよっているため、充分な必要量を摂取することができません。
比較的ビタミンDが多く含まれているのが、サケ、うなぎのかば焼き、サンマ、ヒラメ、イサキ、カレイ、きくらげなど。
同マニュアルによれば、ビタミンDの1日の必要量は 10~25㎍ ですが、サケ60g:19.2㎍、ウナギのかば焼き100g:19.0㎍、サンマ60g:11.4㎍、といったところ。
日光の紫外線を浴びなくても充分摂取できるという方もいるかもしれませんが、8割がビタミンD不足という現実を考えると、食事から十分な量を摂取するのはやはり無理?
必要量の半分は紫外線がつくったビタミンD!
カラダが必要とするビタミンDの約半分は、紫外線からつくられたビタミンDということです。
つまり、紫外線を避けようとすればビタミンDが不足することになりますから、現代人のビタミンD欠乏症が増えるにはもっともと言えるでしょう。
季節や地域などによりますが、紫外線が強い7月の東京なら、10~20分程度日光を浴びていれば、充分産生することができるようです。
毎日天気が良いわけじゃありませんから、天候が不順な日があれば、不足分をどこかでカバーしなければいけないわけです。
そもそも、これを毎日続けていたら、結構日焼けします。将来、シミ・シワの原因にも。
もちろん、肌の露出度にもよりますが・・・。
「紫外線対策」と「ビタミンD」どっちを優先?
「紫外線予防」と「ビタミンD」、どちらを優先すべきか難しい選択ですが、健康被害の大きさを考えると、まず「紫外線予防」を優先することになるのでしょうか。
紫外線にはいくつかの種類がありますが、皮膚を日焼けさせる紫外線UVBには「皮膚ガン」になるリスクがあります。
ちなみに、「紫外線 環境保健マニュアル 2020」では、紫外線の人体への影響として、次のような症状が挙げられています。
<急性>
①日焼け(サンバーン、サンタン) ②紫外線角膜炎(雪目) ③免疫機能低下
<慢性>
①シワ(菱形皮膚) ②シミ、日光黒子 ③良性腫瘍 ④前がん症(日光角化症、悪性黒子) ⑤皮膚がん ①白内障 ②翼状片
比較的人体に影響が少ないと言われていたUVAですが、過剰に浴びると水ぶくれやシミの原因になるだけでなく、細胞のDNAに傷がつくとの報告もあるようです。
そう考えると、体質にもよりますが、まずは「紫外線対策」を優先させたほうがよさそうです。
UVクリームは、紫外線ケアでもっとも強力な手段です。
ほとんどの紫外線UVBをカットしてしまいますから、このこともビタミンD不足を加速させているようです。
UVクリームがビタミンD欠乏症の原因に!?の記事を、参考にしてください。
不足する「ビタミンD」をどう補う?
「紫外線 環境保健マニュアル 2020」では、赤ちゃんを含めて、健康被害が出ない程度の日光浴を推奨しています。
しかし、アレルギーや体質などから、ビタミンDを産生するのに十分な日光を浴びることができない方も。
同マニュアルでは、食品などからの摂取ではビタミンDが不足する場合、サプリメントの利用をすすめています。
東京慈恵医科大学付属柏病院のHPでも、サプリメントによる摂取をすすめていますが、病院で処方されるビタミンDと一般的なサプリメントでは、ビタミンDの型が違うとのこと。
このビタミンDの型について、同病院のHPでは、つぎのように説明しています。
病院で処方するビタミンDは活性型であり、医師の管理下で内服しないと副作用の危険がある。ビタミンDサプリメントは天然型のビタミンDなので補充する危険は少ない。
まとめ
紫外線対策は、シミ・シワ対策だけでなく、カラダの健康を守るうえでも重要です。
しかし、ビタミンDが大きく不足することになれば、別の形で健康リスクが生まれます。
すぐに症状として表れることがないだけに、紫外線対策とのバランスをとるのが難しそうです。
紫外線対策の”やり過ぎ”と感じたら、ビタミンDのサプリを検討してみたほうがいいかもしれません。
妊活サプリに、葉酸だけでなくビタミンDが配合されたものがあるのは、妊産婦のカルシウム不足を補う目的があるわけです。
ビタミンDサプリメントが ”天然型のビタミンD” だというのも、安心の理由ですね。