「ナイアシンアミド」の効果と副作用・ビタミンCとの併用は?混合原料も!
「ナイアシンアミド」の効果・ほかの美容成分やビタミンCとの併用について
ナイアシンアミドは、ニコチン酸アミドとも呼ばれる水溶性ビタミンBの一種です。
シワを改善する有効成分としては、2018年に厚生労働省から認可された比較的新しい薬用成分です。大手化粧品メーカー「コーセー」や「北の快適工房」が、ブランド戦略の柱として使いはじめ注目されています。
ナイアシンアミドが注目されるようになってから、ビタミンCと併用するのは避けたほうが良いとのネガティブな情報もネットで散見されます。しかし、結論から言えば、「ナイアシンアミド」と「ビタミンC」の併用については問題ないと考えていいようです。
海外の化粧品素材メーカーでは、「ナイアシンアミド」と「ビタミンC」など、5種類の美白成分を配合した混合原料も開発されています。
ナイアシンアミドは、化粧品や医薬部外品に、つぎのような効果を期待して配合されます。
- 皮膚のバリア機能修復
- シワの改善効果
- 美白効果
もちろんナイアシンアミドが配合されていたとしても、配合量が少なかったり、その効果が検証されていなければ、シワ・美白への効果は期待できません。
シワ・美白への効果を実感したいのであれば、医薬部外品(いわゆる薬用)としてナイアシンアミドを配合し、効果が検証されている化粧品を選びましょう。
ナイアシンアミド・医薬部外品としての効果
ナイアシンアミドは、つぎのようなメカニズムで、シワ改善・美白効果にはたらきます。
- コラーゲンの生成を促進してシワを改善する
- セラミド合成を促進してバリア機能を改善する
- 過剰なメラニンの表皮への受け渡しを抑制する
シワ改善の効果が認められている有効成分には、ナイアシンアミド以外にも、コーセーの二―ルワン、資生堂のレチノールがありますが、ナイアシンアミドの働き方が他の成分とは違います。
加齢にともないコラーゲンが減少すると、肌がたるみシワができてしまいますが、ナイアシンアミドは、コラーゲンの産生を促進することでシワを改善します。
シミへの効果については、”過剰なメラニンの表皮への受け渡しを抑制する”というもの。
直接的にメラニンの生成を抑制したり、メラニン色素を破壊するわけではありませんので、ゆるやかにシミへの効果があらわれますが、期待できる成分です。
ナイアシンアミド・角質層への働き
ナイアシンアミドには、お肌の角質層のセラミドを増やして、お肌の水分が失われるのを防ぐバリア機能もあるとも言われます。
コラーゲンは、真皮層や基底膜にあって細胞間の水分を保ちますが、皮膚の角質層の主成分であるセラミドは、お肌のバリア機能の最前線でその役割をになっています。
セラミドが角質層のバリア機能にはたらくことで、ナイアシンアミドには、紫外線による炎症を抑えることができるとの研究結果もあるようです。
ナイアシンアミド・他の美容成分との相性は?
ナイアシンアミドは、ほかの美容成分との相性も良いようです。
レチノールは、ビタミンAの一種で、ヒアルロン酸の産生を促して、水分保持や皮膚の弾力性の維持にはたらきます。ナイアシンアミドとの相性も良いようです。ただしレチノールは油性なので、水溶性であるナイアシンアミドの上から蓋をするように使うと効果的。
トラネキサム酸は代表的な美白成分で、ナイアシンアミドとはシミへのはたらき方が違います。少し遅れて効果があらわれるナイアシンアミドと併用することで、さらに美白効果が期待できます。
ナイアシンアミドの濃度が高い医薬部外品を含め、ナイアシンアミドを配合した化粧品について、他の成分との併用を避ける注意表記は無いようです。
ナイアシンアミド・ビタミンCとの併用は?
ビタミンCは、コラーゲンの産生に欠かせない栄養素ですから、ナイアシンアミドと一緒に摂りたいと思う方も多いはずです。
ナイアシンアミドを配合した国産の化粧品(医薬部外品を含む)には、ビタミンCとの併用についての注意書きはありませんし、結論的には併用は問題はないと考えられます。
しかし、ナイアシンアミドをビタミンCと併用するのは避けたほうが良いとのネガティブな情報もありますが、どこからこのような説が出てきたのでしょうか。
米国の信頼できる医療系サイト・healthline.comの記事「スキンケアルーティンでビタミンCとナイアシンアミドを併用できるか?」(※)に、その答え(らしき内容)が記載されていますので、日本語訳から一部要約しました。※Can You Use Both Vitamin C and Niacinamide in Your Skin Care Routine?
ビタミンCとナイアシンアミドの併用が安全ではないとされたのは、時代遅れの研究によるもので、この2つ成分が非常に高い温度で結合することで、ニコチン酸が形成され、皮膚刺激につながる可能性があるとしている
ナイアシンアミドとビタミンCを一緒に使う実際のケースでは、非常に高い温度で結合するような環境は考えにくいですから、皮膚刺激につながるようなニコチン酸の形成については考える必要はなさそうです。
ただし、どんなにすぐれた成分でも、すべての人の肌に合うとは限りませんから、もしお肌に異常を感じるようなことがあれば、ただちに使用を控え、専門医に診てもらいましょう。
ナイアシンアミド・ビタミンCとの混合原料「Bicowhite」
「Bicowhite」は、スペインの化粧品素材メーカー・bicosome社(本社:バルセロナ)が開発した混合原料で、つぎの5種類の美白成分を配合しています。
- ナイアシンアミド:メラニンの受け渡しを抑制
- ビタミンC誘導体:活性酸素を還元
- フィチン酸:細胞再生
- ビサボロール:抗炎症作用
- アゼライン酸誘導体:メラニンの生成を抑制
おわかりのように、「Bicowhite」は、「ナイアシンアミド」と「ビタミンC誘導体」が併せて配合されている混合原料です。※ビタミンC誘導体の化粧品表示名称は、「3-O-エチルアスコルビン酸」となっています。
このBicowhiteには、アクティブ成分を作用させたい部位にとどけるためのデリバリーシステムとして、「ディスク in カプセル」と呼ばれる特許取得技術が使われています。
なお、Bicowhiteを配合した化粧品について、日本国内での販売は確認できませんでしたが、「ナイアシンアミド」と「ビタミンC誘導体」の併用の安全性と有効性が推測できると思います。
ナイアシンアミド・副作用について
ナイアシンアミドは、肌への刺激が少なく、敏感肌の方でも安心して使えるようですが、肌質によっては、かゆみや赤みが出る可能性もあるようです。
人によってお肌との相性があることは、どんな化粧品にも共通です。どんなに評判が良くても、実際に時分の肌でためしてみなければわかりません。
”肌に合うかどうか心配”という方には、パッチテストをおこなってから使うことをおすすめします。
パッチテストでは、すぐに反応が出るわけではありません。30分ぐらいでかゆみや赤みが出ることもありますが。数日経ってから、症状が現われることも。最低でも、1~2日は様子を見ましょう。
ナイアシンアミドを配合した【医薬部外品】
シワを改善するためにナイアシンアミドを配合している、注目の【医薬部外品】化粧品を3種類紹介します。
手肌のシワ改善に特化したものや、ビタミンC誘導体をあわせて配合している美容液もありますので、目的にあったものを試してみてください。
《THE MYTOL ザ マイトル エッセンス》
THE MYTOL ザ マイトル エッセンス
大正製薬【医薬部外品】
薬用シワ改善美容液
内容量:30mL
- 有効成分 ナイアシンアミド
- 独自成分「MT-グロウコンプレックス」配合
- ビタミンC誘導体をあわせて配合しています
- キメを整えふっくらハリ感のある肌に導く先行美容液
《ONE BY KOSE ザリンクレスS》
ONE BY KOSE ザリンクレスS
コーセー【医薬部外品】
薬用シワ改善クリーム美容液
内容量:20g、30g
- 有効成分:ナイアシンアミド
- シワができにくい肌にととのえる
- シワ改善&美白有効成分「リンクルホワイトN」配合
- ソフニング&ストレッチキープ処方
・1回の使用でシワがのばされたようなハリ感が持続します
《PINTE ピンテ》
PINTE ピンテ
北の快適工房 【医薬部外品】
内容量:25g ※目安1ヶ月分
- 手肌のシミ予防とシワ改善
- 手の血管目立ちへのケア
- コラーゲンの生成を促進する成分配合
- ナノエマルジョン製法で肌の奥まで浸透
- 4種のハリ艶成分配合
- 8つの無添加(フリー)