シミ対策・L-システインの効果・副作用は?おもな医薬品の配合量を比較
L-システインは、皮膚のターンオーバーを正常化して、古い角質を排出するはたらきがある非必須アミノ酸の一種です。
皮膚、髪や爪などに多く含まれ、不足すると皮膚炎やシミができやすくなり、爪がもろくなったり、髪が抜けやすくなるなどの症状が現われます。
坑酸化作用(活性酸素の除去)があるL-システインは、ビタミンCとともにメラニン色素を無色へ還元し、さらに代謝を促進することで、メラニン色素を排出すると言われています。また肝臓の解毒作用もあり、二日酔いの薬に配合されるなど、幅広い用途に使われています。
女性の代表的なシミ・肝斑の治療では、トラネキサム酸がよく知られていますが、L-システインも肝斑の治療に使われます。
L-システインのシミへの効果
シミ・そばかすの肌トラブルのための医薬品に配合される「L-システイン」には、つぎのようなはたらきがあります。
- シミのもとになるメラニンの過剰な生成を抑える
- ストレスや紫外線などで生じた活性酸素を除去する
- 肌のターンオーバーのサイクルを正常化する
L-システインは、皮膚だけでなく髪や爪にも存在し、不足するとシミだけでなく、髪が抜けやすくなったり爪がもろくなることも。
L-システインだけでも効果が期待できますが、ビタミンCと合成することで、シミの元となるメラニンの抑制効果や肌の代謝がさらに促進されます。
L-システインを配合した医薬品なら、顔や首、手の甲などだけでなく、全身のシミにケアできますから、化粧品とは違った効果を期待できるのがうれしですね。
L-システインを含む食品
L-システインは、システインが2つ結合した「シスチン」という形で、牛肉や豚肉、鶏肉や魚などの動物性たんぱく質に多く含まれ、栄養的には、システインはシスチンと同様に扱われています。
また、システインは、体内で「メチオニン」という必須アミノ酸からも作られ、文科省の食品成分データベースでは、「シスチン」「メチオニン」それぞれの含有量が紹介されています。
動物性たんぱく質以外では、高野豆腐、大豆、きな粉、落花生、たまねぎ、にんにく、ブロッコリー、芽キャベツ、オート麦などにも含まれます。トマト、きゅうり、ニンジンなどの野菜や果物には、ほとんど含まれていません。
◎おもな食品の含有量(可食部100g当り) ※参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
食品名 | メチオニン(mg) | シスチン(mg) | 合計(mg) |
卵類/鶏卵/全卵/生 | 410 | 300 | 710 |
ぶた/[その他]/スモークレバー | 140 | 94 | 234 |
うし/[副生物]/第一胃/ゆで | 220 | 170 | 390 |
にわとり/[若どり・主品目]/もも/皮なし/から揚げ | 140 | 68 | 208 |
だいず/[その他]/大豆たんぱく/繊維状大豆たんぱく | 830 | 820 | 1650 |
あずき/あん/さらしあん/(乾燥あん) | 350 | 370 | 720 |
らっかせい/ピーナッツバター | 290 | 360 | 650 |
にんにく/りん茎/油いため | 80 | 89 | 169 |
ブロッコリー/花序/生 | 76 | 57 | 133 |
シスチンが多く含まれる卵殻膜
卵殻膜は、卵の殻の内側にある薄い膜で、この卵殻膜には他の食品と比べて、とても多くのシスチンが含まれています。
※アルマード公式サイトから引用
鶏卵はシスチンの含有量が、他の動物性たんぱく質と比べてもとても多いですが、卵角膜には必須アミノ酸を含めて、シスチンなどがバランスよく含有されていることがわかります。
L-システインの副作用について
髪や爪に含まれるアミノ酸の一種・L-システインは、抗酸化作用があり、シミの原因となるメラニンの生成を抑え、二日酔いなどにも効果があるとされていますが、糖尿病の方は注意が必要です。
東京大学の最近の研究によれば、L-システインには、インスリンの働きを阻害し、糖尿病の人が利用すると、糖尿病の悪化につながる可能性があるようです。
また、L-システインの摂りすぎによって、副作用として白髪化が起こるとの説明もあります。
1日推奨摂取量の目安(WHO世界保健機関):体重1kgにつき15mg。(50kgの方なら、750mg)
美容目的では、1日1,000mgを。それ以上になると、副作用として白髪化が起こることがあるため、1日1,500mgまでに。
※引用:医療法人社団 藤翠会 藤谷クリニックのHP
京都薬品ヘルスケアの第3類医薬品『ミルセリンホワイトNKB』の場合、1日当りのL-システインは、最大量240mgが配合されています。医療用注射製剤でも、1000mgも含有したものはないようですから、白髪化の心配はしなくても良さそうです。
「L-システイン」×「ビタミンC」の相乗効果
L-システインは、ビタミンCと同時に摂取することで、相乗効果が期待されることがわかっていますので、医薬品には「L-システイン」と「ビタミンC」がセットで配合されると考えていいでしょう。
「L-システイン」と「ビタミンC」は、メラノサイトでのメラニンの生成を抑え、「ビタミンC」がメラニンを無色化します。さらに、他のビタミン類と併せた働きにより、ターンオーバーを促進しメラニンを排出することで、シミへの相乗効果が期待できるわけです。
「L-システイン」おもな医薬品の配合量・価格比較
「L-システイン」の副作用についてはお話したとおりですが、通常の市販薬のシステイン配合量を見るかぎり、副作用の心配はしないで良さそうです。
ここでは、L-システインを配合した第三類医薬品のなかから、注目の3商品について、他の有効成分や定期コースなどを比較紹介します。
- ミルセリンホワイトNKB
- ホワイト―ル
- ハイチオールCプラス
「L-システイン」配合のおもな医薬品などについて、ビタミン類の含有量、価格について比較しました。※ビタミン類の1日当りの配合量で、ビタミン類以外については掲載していません。
ミルセリンホワイトNKB | ホワイト―ル | ハイチオールCプラス | |
商品 | |||
メーカー等 | 京都薬品ヘルスケア | フォーマルクライン | エスエス製薬 |
分類 | 第3類医薬品 | 第3類医薬品 | 第3類医薬品 |
L-システイン | 240mg | 240mg | 240mg |
アスコルビン酸 (ビタミンC) |
1,000mg | 1,000mg | 500mg |
コハク酸d-α-トコフェロール (ビタミンE) |
50mg | 50mg | ー |
リボフラビン (ビタミンB2) |
6mg | 6mg | ー |
ピリドキシン塩酸塩 (ビタミンB6) |
12mg | 12mg | ー |
通常価格(約1ヶ月分) ※税込 |
4,400円 | 8,360円 | 4,620円 |
定期コース初回価格 | 2,400円 (税込) |
1,980円 (税込) |
ー |
お得な定期コース | 詳しい情報はこちら | 詳しい情報はこちら |
ビタミンCは、L-システインとともに、メラニンの生成を制御し無色化し、ビタミンEが血行を促進、ビタミンB2、B6が皮膚のターンオーバーを促進して、メラニンの排出を早めます。
ビタミン類の配合成分を比べると、各メーカーの開発コンセプトがよくわかります。
第3類医薬品『ミルセリンホワイトNKB』では、L-システイン240mgのほかに、ビタミンC1,000mgが配合されていて、一般的なビタミンCサプリメントと比較してもトッププラスの配合量となっています。
第3類医薬品『ホワイト―ル』を提供しているのは、フラバンジェノールでもよく知られているフォーマルクライン社で、主要なビタミン類の配合量は『ミルセリンホワイトNKB』と同じです。
どちらの定期コースも、お得な価格で回数の縛りがありませんから、まず1ヶ月だけでも試してみると良いでしょう。
まとめ
きれいな肌を保つためには、ターンオーバーが正常におこなわれる必要がありますが、不規則な生活習慣や偏った食生活によって、ターンオーバーのサイクルは乱れ、シミやそばかすが出来やすくなります。
L-システインは、きれいな肌を保つためには欠かせない成分ですが、通常の食事では十分な量を摂ることができません。さらに、加齢とともに体内合成できる量が減っていきますから、医薬品やサプリメントで補うことが必要になるわけです。
肌のターンオーバーのサイクルは、28日間(約1ヶ月)ですが、年齢とともにそのサイクルは延びていきます。
L-システインの服用によって、すぐにシミが改善するわけではありませんが、継続的に服用することで、その効果が少しづつ実感できるようになるでしょう。