花粉症による肌荒れ・悪化させないためのスキンケア
花粉症による肌荒れを防ぐためのスキンケア
花粉症は、鼻水や目の痒みだけでなく、肌荒れの原因にもなります。炎症による赤みや、チリチリした痒みなど、見た目だけでなく、睡眠などの日常生活に支障がでることも。
花粉は、スギやヒノキ(ピークは2~5月)だけでなく、ブタクサ、ヨモギ、イネ科の植物など、一年中飛んでいます。でも、ひどい花粉症でなやむ人が多いのは、2~4月ごろでしょうか。
この季節の特色は、空気が乾燥しやすく、1日の気温差も大きくなること。そのため、肌のバリア機能が低下しやすくなり、花粉によるアレルギー反応がさらにひどくなるようです。
チリチリした肌の痒みは、掻きこわしてしまうという悪循環におちいるだけでなく、睡眠の妨げにも。まずは、正しいスキンケアを心がけましょう。
バリア機能の低下によって花粉の影響を受けやすくなる
花粉が飛び交う春先は、激しい寒暖差によって肌のバリア機能が低下するため、肌トラブルが起きやすくなります。
肌のバリア機能が低下すると、花粉が肌から侵入やすくなり、免疫システムのはたらきによって、アレルギー反応が起こりやすくなるのです。
肌のバリア機能は、皮膚の一番外側にある角層の「水分」と「油分」のバランスによって保たれています。乾燥などにより水分量が低下すると、「水分」と「油分」のバランスが乱れ、花粉や化学物質、細菌などの外部刺激をうけやすくなるわけです。
目の周りや顎(あご)などの露出部位はとくに注意!
顔や首は、つねに外気にさらされているだけでなく、目の周りや顎(あご)や首などの角層は、他の部位にくらべてとくに厚さが薄いのが特徴です。
わずかな刺激でもダメージを受けやすいため、バリア機能が低下する花粉症の季節には、赤みや痒み(かゆみ)などの肌トラブルの症状がでやすくなります。
痒いからといって、手で掻いてしまうと、摩擦による物理的刺激によって炎症がさらにすすんでしまいます。
また、花粉症の予防としてマスクをつけることが多いですが、このマスクそのものが、肌を刺激してしまうことも。花粉症対策のはずのマスクが、逆効果になってしまうので要注意!
花粉症による肌荒れを防ぐためのスキンケア
花粉によって、目の周りがチリチリと痒くなると、自然と指でこすってしまいがちですが、炎症がさらにひどくなってしまいます。
花粉症対策に欠かすことができないスキンケアと、その注意点についてみていきます。
洗顔
外出先からもどったら、顔や首などについた汚れや花粉をかならず洗い流しましょう。”ぬるま湯”と”やさしく”が、洗顔のポイント!
- まず、ぬるま湯で、顔や首筋についた花粉や汚れをやさしく落とします
- 洗顔料を手のひらにとり、少量のぬるま湯でしっかり泡立てます
- 顔の表面でたっぷりの泡を転がすイメージで洗うのがポイント!ゴシゴシ擦ってはいけません
- 花粉や汚れを落としたら、ぬるま湯でしっかりすすぎましょう
- すすぎ終わったら、柔らかなタオルでおさえるようにして、水分を拭き取ります。絶対に、こすらないように!
ぬるま湯をつかうのは、油分を洗い流さないため。お湯の温度が高いと、水分を逃がさないようにするための油分まで洗い流してしまいます。
保湿
洗顔後、そのままの状態で放置していると、水分がどんどん蒸散してお肌が乾燥してしまいます。肌のバリア機能が低下して、花粉症による肌荒れがますますひどくなってしまいます。
洗顔後や入浴後は、すぐに(できれば5分以内に)刺激が少ない化粧水で水分を補充し、乳液やクリームで水分が逃げないようにフタをします。
スキンケアは、花粉症対策のためだけではありませんので、自分の目的にあった美容成分を配合した美容液などを、必要におうじてプラスするのもおすすめです。
スキンケアアイテムを使う順番について
スキンケアの基本は、まず花粉や汚れを落としてから、しっかり保湿をすることです。その上に、クリームなどで水分が逃げないように保護します。
花粉症に限りませんが、スキンケアアイテムを使うときは、つぎのような順番になります。
- 洗顔する
- 化粧水を肌に浸透させる
- 美容液で美容成分を補う
- 乳液・クリームでフタをする
乳液やクリームでフタをしないと、せっかくの保湿成分が逃げてしまいます。
花粉をふせぐための服装
肌が露出した部位は、花粉がつきやすくなります。帽子やメガネ、さらにマスクなどを使うのも効果的ですが、衣服にも要注意。
ツルツルした素材の衣類を一番上に着て外出すれば、花粉がつきにくいので効果的。もちろん、帰宅したら、家の中に入る前に玄関先で、しっかりはたいて花粉を落としましょう。
もし、外出時に帽子をかぶらないのであれば、シャワーを浴びて、髪についた花粉を落としたいですね。
花粉が多い日や時間帯の外出をひかえる
花粉が飛び交う季節でも、毎日花粉が多いというわけではありません。
最近は、「花粉」+「地域名」のキーワードで検索すれば、花粉の個数(1平方センチメートルあたり)まで知ることができます。【参考】ウェザーニュース「花粉飛散予報マップ」
花粉飛散の情報サイトはいくつかあり、いずれも外花粉の飛散が多いか少ないかがわかりますので、飛散量が多い日は、できれば外出を控えたいところです。
また、時間帯によっても、花粉の飛散量が変わってきますので、飛散量が多い時間帯をはずして外出するとよいでしょう。
まとめ
花粉症は、人によって、部位や症状、さらに程度がさまざまです。
花粉症への対策も、それに応じて、漢方薬、ヨーグルト、甜茶(てんちゃ)、グミ、鼻スチームなど。続けて効果を実感する人もいれば、そうでない人も。
最近、花粉症で注目されている果実に、「じゃばら」があります。
じゃばらの産地・和歌山県北山村の役場のモニター調査で、花粉症症状が改善したとの回答が、なんと49.5%も集まったとのこと。肌荒れへの効果はわかりませんが、即効性も確認されているようです。
花粉症対策は、シーズン前からはじめるのがポイントといわれますが、日常生活にも支障がでるようなら、医療機関で診てもらったほうがいいでしょう。
もちろん、毎日の正しいスキンケアが欠かせません。