ビタミンCの美肌効果・含有量が多い食品は?
ビタミンC(アスコルビン酸)は抗酸化作用があり、体内でビタミンE と協力して活性酸素・フリーラジカルを消去して細胞を保護するはたらきがあります。
活性酸素・フリーラジカルには悪いイメージがありますが、活性酸素には、細胞内での情報伝達、免疫機能や代謝を調節する重要な働きがあります。
しかし、活性酸素・フリーラジカルが増え過ぎると、細胞が傷つき、シワ、しみ、老化、がん、動脈硬化、糖尿病や脂質異常症など生活習慣病の原因となります。
体内には活性酸素・フリーラジカルを分解する酵素があり、抗酸化作用があるビタミンCやビタミンEなどとともに、活性酸素・フリーラジカルが増え過ぎないようにバランスをとっています。
ビタミンCは、多くの動物とは異なり、ビタミンCを体内で合成することができないため、食品から摂る必要があります。果物や野菜などに多く含まれますが、水溶性のビタミンで基本的には体内に貯めておくことができないため、毎日摂取することが望まれます。
さまざまな野菜や果物に含まれているビタミンCは、普段の食事から十分摂れるように思いますが、ストレスや偏った食事が多い現代人のライフスタイルでは不足しがちのため、サプリメントから摂取する方も増えています。
美肌のためのビタミンCの効果と食品
お肌の弾力をつくったり、傷の修復に必要なコラーゲンをつくるためにも、ビタミンCは欠かすことができません。
ビタミンCは、シミやシワへの効果が注目されがちですが、つぎのような働きもありますから、美肌の維持には意識して摂りたい成分です。
- 炎症を抑えてニキビを改善する
- メラニン色素の産生を抑え美白をつくる
- 抗酸化作用によりくすみを改善する
- コラーゲンをつくりシワ・たるみを改善する
- 傷の修復期間を短くする
- 毛穴を引き締め過剰な皮脂の分泌を抑える
ビタミンCの必要摂取量
日本人の食事摂取基準(2020年版)によれば、12歳以上の男女のビタミンCの食事摂取基準として、男女とも1日当たり100mg摂ることを推奨しています。
妊婦さんや授乳中の女性の場合、さらに付加して摂ることが推奨されており、妊婦さん+10mg、授乳中の女性+45mgを付加することが推奨されています。
国によって基準値には違いがあり、厚生労働省のHPには、海外の情報として米国医学研究会の食事摂取基準が紹介されています。これによれば、ビタミンCの1日の平均摂取推奨量は次のようになっています。※一部抜粋
ライフステージ | 摂取推奨量 |
10歳代14-18歳:(男子) | 75 mg |
10歳代14-18歳:(女子) | 65 mg |
成人(男性) | 90 mg |
成人(女性) | 75 mg |
10代の妊婦 | 80 mg |
妊婦 | 85 mg |
10代の授乳婦 | 115 mg |
授乳婦 | 120 mg |
なお、タバコを吸う方は、上記の値に35 mgを加えることが推奨されています。フリーラジカルによる損傷により、必要とするビタミンCの量が増加するためです。
つまり、喫煙の習慣がある成人女性の推奨量は、110mgということになります。
ビタミンCの過剰摂取について
日本では、健康な人ビタミンCを過剰に摂取しても、体外に排出されることから、安全と考えられているため、日本人の食事摂取基準(2020年版)でも耐用上限量は設定されていません。
ビタミン C の過剰摂取による影響としては、吐き気、下痢、腹痛などの胃腸への影響が考えられますが、1日に3,000〜4,000mg のアスコルビン酸の投与で、下痢を認めたとの報告があるようです。
ただし、日本人の食事摂取基準(2020年版)では、ビタミンCの摂取量と吸収や体外排泄を検討した研究から総合的に考えると、通常の食品から摂取することを基本とし、通常の食品以外の食品から1 g/日以上の量を摂取することは推奨できないとしています。
ビタミンCが多い食品
サプリメントに配合されることが多いビタミンCは、その配合量がよくレモンと比較されますが、レモンのビタミンC含有量は、他の食品と比べてそれほど多くはありません。
くすりの健康日本堂のホームページを参考に、ビタミンCを多くふくむ食品を、レモンが出てくるまでリストアップしてみました。
ランキング | 食品 | ビタミンC含有量 /100g当り |
第1位 | アセロラ 酸味種 生 | 1700mg |
第2位 | 青汁 ケール | 1100mg |
第3位 | パセリ 乾 | 820mg |
第4位 | アセロラ 甘味種 生 | 800mg |
第5位 | せん茶 茶 | 260mg |
第6位 | グァバ 赤肉種 生 | 220mg |
第7位 | グァバ 白肉種 生 | 220mg |
第8位 | あまのり 焼きのり | 210mg |
第9位 | トマピー 果実 生 | 200mg |
第10位 | あまのり 味付けのり | 200mg |
第11位 | 赤ピーマン 果実 油いため | 180mg |
第12位 | 赤ピーマン 果実 生 | 170mg |
第13位 | あまのり ほしのり | 160mg |
第14位 | ゆず 果皮 生 | 160mg |
第15位 | 黄ピーマン 果実 油いため | 160mg |
第16位 | めキャベツ 結球葉 生 | 160mg |
第17位 | 黄ピーマン 果実 生 | 150mg |
第18位 | キウイフルーツ 黄肉種 生 | 140mg |
第19位 | 和種なばな 花らい・茎 生 | 130mg |
第20位 | とうがらし 果実 生 | 120mg |
第21位 | パセリ 葉 生 | 120mg |
第22位 | ブロッコリー 花序 生 | 120mg |
第23位 | アセロラ 10 %果汁入り飲料 | 120mg |
第24位 | しょうが おろし | 120mg |
第25位 | 玉露 茶 | 110mg |
第26位 | すだち 果皮 生 | 110mg |
第27位 | なずな 葉 生 | 110mg |
第28位 | 洋種なばな 茎葉 生 | 110mg |
第29位 | めキャベツ 結球葉 ゆで | 110mg |
第30位 | しい 生 | 110mg |
第31位 | レモン 全果 生 | 100mg |
ビタミンCの代表格と思われているレモンですが、31位でやっと載っていたました。
サプリメントなどの広告では、“レモン50個分のビタミンC”など、レモンと比較されることが多いビタミンCですが、第1位アセロラとはケタ違いであることに驚きます。
ビタミンCの体内への吸収率
ビタミンCを食品やサプリメントで摂取した場合、組織中濃度および血漿中濃度は体内でコントロールされるため、すべてが体内に吸収されるわけではありません。
ビタミンCの場合、1日30~180 mgの適度な摂取量では、約70%~90%が吸収され、摂取量が1日1000mgを上回ると、吸収率は50%未満となり、吸収されなかったアスコルビン酸は尿として排出されてしまいます。
ビタミンCはアスコルビン酸以外にもいろいろあるけど・・・
多くのサプリメントでは、ビタミンCはアスコルビン酸の形で配合されています。
他にも、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸無機塩、バイオフラボノイド配合アスコルビン酸などの形で配合されているサプリメントもあるようです。
しかし、どの形のビタミンCが優れているかについては、まだ明らかになっていないようです。
ビタミンC配合のサプリメント
ビタミンCのサプリメントは、いろいろ発売されていますが、あわせて配合されている他の成分をチェックして、飲む目的に応じて選ぶことをおすすめします。
お肌の健康を考えるなら、L-システインをあわせて配合したサプリメントを試してみることをおすすめします。
L-システインは、皮膚のターンオーバーを正常化して、古い角質を排出するはたらきがある非必須アミノ酸の一種です。
ビタミンCとともにメラニン色素を無色へ還元し、さらに代謝を促進することで、メラニン色素を排出すると言われています。また肝臓の解毒作用もあり、二日酔いの薬に配合されるなど、幅広い用途に使われています。
女性の代表的なシミ・肝斑の治療では、トラネキサム酸がよく知られていますが、L-システインも肝斑の治療に使われます。