顎ニキビはなぜ繰り返す?原因と予防について
顎ニキビはなぜ繰り返す?原因と予防について
治りかけては何度も繰りかえす顎ニキビ。10代に多くみられる「思春期ニキビ」と違い、治すのがやっかいな存在ですが、その原因を理解してただしいケアを続けることが、ひどくならずに済むポイントと言えそうです。
顎ニキビは、大人ニキビのなかでも代表格ですが、生活環境やホルモンの分泌など、さまざまな要因が関係しています。単純に皮脂の分泌量が多いというだけの問題ではありませんから、ニキビそのものをなんとかすれば解決するというわけではないようです。
大人ニキビの原因を知れば、顎ニキビが繰り返してしまう理由がなんとなくわかってきそうです。
顎ニキビのおもな原因は?
顎ニキビは、つぎにあげるような原因が重なってできると考えられています。ストレスや生活習慣などが、大人ニキビ、とくに顎ニキビができやすい体質をつくってしまうことを、まずはじめに知っておいたほうがいいいでしょう。
- 皮脂の過剰分泌と毛穴のつまり
・皮脂の分泌量が多いと毛穴に皮脂がつまりやすくなることで、ニキビができやすくなるのは思春期ニキビと同じ。さらに年齢とともに、不規則な生活習慣や肌の乾燥による肌のターンオーバーの乱れなどから、大人ニキビができやすくなります。 - 顎は皮脂腺が多く汗腺が少ない
・顎は、顔のなかでも皮脂腺が多く存在しますが、汗腺が少ないのが特徴。そのため肌が乾燥しやすく、その乾燥をおさえるために皮脂の分泌量が多くなり、顎ニキビができやすくなります。 - ホルモンバランスの乱れ
・ホルモンバランスが乱れ、男性ホルモンの分泌量が多くなりすぎると、角質層が厚くなり毛穴が詰まりやすくなったり、皮脂が過剰に分泌されてニキビを発生させます。とくに、女性の場合、黄体ホルモンが優位になる生理前や妊娠中は、顎にニキビができやすくなる傾向があるようです。 - 睡眠不足がホルモンバランスに影響
・睡眠不足の翌朝、肌が荒れやすくなってしまうのは体験ずみのはず。睡眠不足によって自律神経が乱れると、女性ホルモンの分泌も乱れますが、これはどちらも脳のおなじ部位(視床下部)がコントロールしているから。 - 強すぎる洗顔による肌の乾燥
・皮脂には肌の内部をまもる役割がありますが、顎ニキビ(大人ニキビ)が気になってゴシゴシ洗い過ぎると、皮脂を落としすぎてしまい肌が乾燥する原因になります。乾燥を防ぐために皮脂の分泌がうながされ、さらに顎ニキビができやすい環境に。 - 紫外線によるニキビの炎症の悪化
・アクネ菌はニキビの原因菌で、「ポルフィリン」という代謝物を産生しています。このポルフィリンに紫外線があたると、大量の活性酸素が発生するため、ニキビの炎症が悪化しやすくなります。 - 精神的なストレス
・精神的なストレスは、自律神経のバランスやホルモンバランスが乱れる原因になります。ホルモンバランスの乱れによって、皮脂の過剰分泌や毛穴詰まりが起こりやすくなるため、顎ニキビができやすくなります。 - 直接的な刺激
・顎ニキビができると、気になってつい手で触ってみたり、押してみたり。このような直接的な刺激も顎ニキビが治りにくい原因になっているようです。 - 脂質の多い食生活
・ジャンクフードや揚げ物などの脂肪が多いたべものは、皮脂の分泌量を増やします。また、栄養バランスの悪い食生活をつづけていると、肌荒れがおきやすくなります。
顎ニキビに代表される大人ニキビは、思春期ニキビとは違って、さまざまな要因が関係しています。これが、顎ニキビが治りにくい原因にもなっているようです。
顎ニキビを予防するために心がけたい日常生活のポイント
一度できてしまうと、治すのがなかなか難しいのが、顎ニキビ。
できれば、顎ニキビをつくらないような日常生活を心がけたほうがいいようです。そのためのポイントは、以下のとおりです。
- 洗顔はゴシゴシ擦すらない
・皮脂が気になると、どうしてもゴシゴシ洗いたくなってしまいますが、バリア機能としての皮脂まで落としてしまい逆効果。しっかり泡立ててから、やさしく洗いましょう。 - しっかり保湿する
・顎だけではありませんが、肌の乾燥はお肌の大敵!水分も油分とおなじく、肌のバリア機能をになっているのです。顎ニキビが気になる方は、クリームやオイルなど油分の多いススキンケアではなく、油分が少ない乳液などを使うのがポイントです。 - 紫外線対策をする
・顎に限らず、紫外線対策はお肌の健康のためには不可欠。顔や首など、日光にさらされやすい部位をまもるには、日傘や帽子などとともに、UVクリームの使用をおすすめします。 - ストレスを溜めない
・精神的ストレスは、お肌だけでなく、さまざまな健康への悪影響をおよぼします。その意味で、顎ニキビは、健康管理のバロメータの一つと言えます。ふだんから、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。 - 質のよい睡眠をとる
・良質の睡眠をとることによって、お肌の修復やバリア機能がたかまることがわかっています。日本人の睡眠時間は外国人とくらべ短いと言われますが、大切なのは質のよい睡眠。睡眠環境をととのえ、就寝前のスマホなどは控えましょう。 - 栄養バランスの良い食生活
・栄養バランスが悪い食生活は、お肌にかぎらずさまざまな健康トラブルの原因になります。ストレスが溜まると、食生活が不規則になりやすいので、サプリメントなどを活用しながら意識的に栄養バランスをとるのも一つの方法です。
まとめ
顎ニキビは、できてしまうとなかなか治りにくく、シコリのようになって残りやすい特徴があります。
気になると、つい指先でふくらんだ部分を触ってしまいがちですが、直接的な刺激となって逆効果。
日常の生活習慣や食事を見なおすなど、ちょっと顎ニキビとは関係なさそうなアプローチが、結果的に顎ニキビ対策としては良いようです。
私も長年、顎ニキビが気になっていましたが、睡眠時間を意識したり、バランスのよい食生活などを心がけているうちに、いつしか膨らんでいた部分が小さくなったような気がします。
大切なのは、もし顎ニキビができてしまったら、まず第一に気にしないこと、そしてここで挙げた予防のポイントを一つでも多く続けてみることでしょうか。