花粉症による皮膚炎・なぜ起こる?原因と対策

花粉症による皮膚炎・なぜ起こる?原因と対策
花粉症が気になる時期が、年々早くなっているようです。
今年、東京では1月初旬からすでにスギ花粉が飛散していますが、観測史上はじめてとのこと。不意をつかれた感じですね。
花粉症の症状でよく知られているのが、鼻水や鼻づまり、目の痒み(かゆみ)、くしゃみですが、肌荒れの原因になることもあるようです。
花粉皮膚炎とよばれていますが、鼻や目などに症状があらわれず皮膚だけに出るケースでは、自分が花粉症になっていることに気づかないことも。肌の露出部分にでやすく一目にもつきやすいので、早めの対策が必要です。
花粉による皮膚炎の症状について
花粉による皮膚炎は、花粉が飛散する季節にかぎって、赤みや痒みなどの症状となってあらわれまます。
花粉が飛散するのが春先なので、季節の変わり目による肌荒れだと思っている方も多いようです。専門クリニックで診てもらってはじめて、花粉による皮膚炎だとわかることも。
<花粉皮膚炎の症状>
- まぶた、頬、耳、首などの露出部分にでやすい
- 赤みや痒みがでて発疹のように盛り上がることがある
- 進行すると腫れたり熱をもつことがある
- 湿疹のようにジクジクしないで乾燥気味になる
- 化粧品のノリが悪くなりスキンケアがしみるようになった
花粉症皮膚炎で特徴的なのは、ジクジクするような湿疹ではなく、乾燥気味だということでしょう。赤みや腫れがあるぐらいで治まればよいのですが、症状が長期化すると、色素沈着によって皮膚が茶色くなったり厚くなることもあるようです。
とくに露出している部位にでやすい症状なので、もしかしたら・・・と思ったら早めのスキンケアが必要です。
花粉による皮膚炎の原因について
花粉による皮膚炎は、皮膚のアレルギー反応によって生じますが、その7割がスギ花粉によるものといわれています。
表皮の一番外側の角質層にはバリア機能によって、お肌の内部を外部刺激まもっています。しかし空気が乾燥した季節には、肌のバリア機能が低下するため、花粉によるアレルギー反応がおこりやすくなります。
また、間違った洗顔やクレンジングによって、お肌の角質層にダメージをあたえてしまっていることも、花粉皮膚炎の原因の一つになっているようです。角質層が硬く厚くなってくると、取り除きたくなりますが、同時にバリア機能も失っているわけです。
花粉による皮膚炎の予防について
花粉による皮膚炎を予防するポイントは、つぎの2つです。
-
- 花粉から肌をまもる
- 肌のバリア機能を高める
花粉をできるだけ肌に触れさせないためには、露出部分を減らして、花粉がつきにくくしなければなりません。
- マスクやメガネをつける
- 花粉が付きにくい生地の服を着る
花粉症の季節には、室内に花粉をもちこまないように心がけることも重要です。
- 衣服についた花粉を落として家に入る
- 手洗い、うがい、洗顔、洗髪で花粉を落とす
- 洗濯物や布団を外干ししない
- 部屋の換気を工夫する
そしてもっとも大切なのが、肌のバリア機能を高めること。
- 強い成分の化粧品などで肌に刺激をあたえない
- 洗顔のときにゴシゴシ擦らない
- 洗顔・入浴後はしっかり保湿する
乾燥は、お肌のバリア機能にとって大敵!洗顔、入浴後は、ご自分の肌質にあったスキンケアでしっかり保湿してください。
今や国民病ともいわれる花粉症からお肌をまもるためには、花粉が少しでも肌に触れないようにするのがベスト。もし花粉症になってしまったら、重症化を防ぐためにも最大限の努力は必要です。
花粉症の遺伝的体質について
花粉症になりやすい遺伝的体質があるようです。
京都大学の研究によれば、特定の遺伝子(ADAM33遺伝子)がスギ花粉症の患者と強い関連があるとのこと。健常者とくらべ、スギ花粉症の発症リスクが2~5倍高かったようです。
遺伝的な体質であったとしても、かならずしも花粉症になるわけではありません。環境や生活習慣によっては、発症しないあるいは発症しにくいのはもちろんです。
今では、簡単でリーズナブルな遺伝子検査によって、花粉症になりやすい体質なのかそうでないのかを知ることができるサービスがあります。
総合遺伝子検査キット「GeneLife Genesis2.0 Plus」では、360項目の遺伝子検査をしらべることができますが、このなかに花粉症に関連した「ADAM33遺伝子」の検査もあるようです。
じぶんの遺伝的な傾向を知れば、発症しないための予防法をさぐるヒントになるでしょう。
まとめ
花粉症は、鼻づまりや鼻水、目の痒みだけでなく、お肌にも悪い影響を与えます。悪化すれば、色素沈着してしまうことも。
花粉によって起こる皮膚炎は、花粉皮膚炎と呼ばれますが、花粉の季節にかぎって発症するのが特徴。
いまや国民病ともいわれる花粉症ですが、正しい知識をもって、生活環境やライフスタイル、さらに適切なスキンケアをおこなえば、症状を軽くおさえることもできるはずです。
また、自分の遺伝的傾向を知っておけば、発症するトリガーを避けることもできるでしょう。