ジメチコンは危険? 嫌われ成分だけどこれが無いと...
化粧品をえらぶとき、まず成分表を見ませんか?
敏感肌やアレルギー症の方は、なおさら化粧箱に記載された細かな字のリストに目がいくのではないでしょうか。
高級化粧品ほど、実にさまざまな成分名が書かれて、聞いたこともないような長い名前の成分もあります。
その中に、必ずといっていいほど配合されているのが、「ジメチコン」。
ただし、これは化粧品の場合の成分表示名称です。
医薬部外品(※薬用と表示される場合があります)では、「メチルポリシロキサン」または「高重合メチルポリシロキサン(1)」と表示されます。
一般的には、ジメチコンで通用していますね。
「ジメチコン」の特性
化粧品の成分表を見るときに、まず最初にこの”ジメチコン”の名前を探す方がいらっしゃいます。
理由は、”ジメチコンは健康に良くないから、できるだけ配合されていないもの、または配合量が少ない化粧品が欲しい”というもの。
根拠がないわけではありませんが、ジメチコンそのものは、まったく無害な成分です。
でも消化器系の内服薬にも使われるぐらいですから、毒性があるわけないですね。
そもそも、化粧品にジメチコンが配合されるのには、それなりの理由がありますが、ジメチコンには次のような特性があります。
- 化粧品のテクスチャーを良くする
- 乳化したものの泡を消して成分を均一に混ぜる
- 光や熱、他の物質にも反応しない
- 油や水に負けない強い皮膜をつくる
これが、ジメチコンの特性です!
化粧品は、様々な成分を混ぜて作られますが、それぞれの成分が分離してしまうと、目的の効果が得られません。
また、混ぜたときの気泡がそのままのこってしまったら、均質な製品にならないどころか、外気が混入して成分劣化の原因にもなります。
そんなとき、ジメチコンのように、光や熱、他の物質などと反応しない成分ってとても便利だと思いませんか?
「ジメチコン」によって作られるテクスチャー
肌に塗り伸ばした時に、成分が分離していたらどうなるでしょう。
特定の成分が、特定の場所に必要量を超えてとどまることが考えられます。
ジメチコンがあるから、
- サラサラしてベタつかない
- 成分が均一に混ざる
- 強い皮膜によって肌が守られる
など化粧品としての使いやすさとメリットが活かせることになりますが、この特徴が逆に、悪いイメージにもつながっています。
- 水や油に強いので塗ったものが落ちにくい
もし、汚れや余分な皮脂などをジメチコンで封じ込めてしまったら、お肌にも良くないですね。落とすときも、シリコン系のクレンジングが必要です。
肌から内部に浸透することはありませんから、いずれは角質と一緒に剥がれ落ちますが、皮膚にとってはあまり良い状態とはいえません。
発汗が止められたり、古い角質や汚れがいつまでもとどまることになりがちです。
これは、ほとんどすべての化粧品に共通といってもいいかもしれません。
この強い皮膜を生かした商品もあります。
口紅、日焼け止め、化粧下地など、落ちないほうが良い化粧品には、なくてはならない成分です。
単にテクスチャーだけを求めるなら、配合量はそれほど多くありません。
ジメチコンの配合量は、成分表を見れば推定できます。
成分表は量の多い成分から順番に記載されていますから、始めの方に記載されているほど配合量が多いことになります。
しかし、もともと配合成分の種類が多い化粧品では、結果的に上位のほうにジメチコンの名前が表記されます。
妊娠線ケアクリームにも配合されているジメチコン
なめらか浸透ボディクリーム『プレマーム』は、妊娠中や産後の妊婦さんが使うことが多いスキンケアクリームですが、プレマームにもジメチコンが配合されています。
プレマームの成分表をみると、9番目にジメチコンが表記されています。※ジメチコン以下は、省略。
水,グリセリン,BG,スクワラン,ペンチレングリコール,ホホバ種子油,(ダイマージリノール酸/ステアリン酸/ヒドロキシステアリン酸)ポリグリセリル-10,カルボマー,ジメチコン,・・・
ブースター(導入液)には配合されない「ジメチコン」
ブースター(導入液)は、洗顔後の肌に必要な皮脂を補給し、化粧水などの美容成分の吸収を促進するのが目的です。
強い皮膜を作ってしまうと、美容液がはいっていきませんから、ブースターにジメチコンが配合されていないのは、当然といえば当然ですね。
馬油は、ブースターとして使われますが、アットコスメなどでも評判が良いKUMAMOTO《潤馬化粧養油》の全成分は、つぎの4種類だけ。
●馬油 ●プラセンタエキス ●オリーブ果実油 ●トコフェロール
馬油は、人の肌とつくりが似ているので、馴染みがいいようです。
馬油というと、ベタベタしたイメージを持つかもしれませんが、11の精製過程によって驚くほどサラサラな美容オイルにつくられていて、乾燥小ジワに働きかけてくれます。
まとめ
ジメチコンに限らず、化粧品にはさまざまな成分が配合されていますが、それぞれがどんな働きをしているのか、チェックする方は少ないと思います。
化粧品は、使う目的に応じて、テクスチャーや保存などを考えあわせて開発されますから、BG、PEGなどのよく知られる成分のほか、初めて名前を聞くような成分がいろいろ配合されることになります。
しかし基本的に、化粧品や医薬部外品(薬用)として市販されている商品で、大きなトラブルになることはほとんど無いと考えていいでしょう。
配合成分が自分に合うか合わないかは、実際に自分の肌で試してみないと分かりません。万一、使い続けて、お肌に異常や違和感を感じたら、すぐに使用を中止するのが基本です。
ジメチコンを疑う前に、他人が推奨する化粧品が、かならずしも自分の肌に合うとは限らないことを理解しておいたほうがいいかもしれません。