衣類で皮膚炎! 新品をそのまま身に付けるのは、ちょっと待って!
かなり前(2017年)ですが、かぶった帽子が原因で、愛知県の女性が皮膚炎を発症したことが、NITE(※)のレポートからわかりました。
調査結果については、確認していませんが、衣類による皮膚トラブルには、次のような原因が考えられます。
- 圧迫、締め付けによるもの
- 摩擦によるもの
- 衣類の加工(防しわ、防縮など)で使われる化学物質によるもの
- プリントに使われる染料によるもの
衣類が原因と思われる皮膚炎は、過去にもたびたび発生しています。
直近では、2017年10月にも、ベトナム製のブラジャーを着けたところ、接触部分に皮膚炎を起こしたとの報告があります。これも愛知県です。
衣類の締め付けやこすれが原因で起こる「衣類かぶれ」は、多くの方が経験していると思います。衣類で締め付けられた部分が赤くなって、ミミズばれになって痒みを生じたり、水疱ができたりします。
しかし、衣類に関連した皮膚トラブルは、締め付け部分やこすれだけが原因ではありません。考えられる原因の一つとして、染料があります。
染料にもかぶれの原因が!
衣類を染めるときに使われる染料のなかにも、かぶれの原因物質が含まれていることがあります。
なかでも、多く使われているのが、ホルムアルデヒドです。一般的には、“ホルマリン”とも呼ばれています。
ホルムアルデヒドが、衣類などの繊維製品とどういう関係があるの?と思われるかたが多いと思いますが、実は、さまざまな用途で使われているんです。
洗濯するとシワになったり、縮んだりする材質のものがありますが、このシワや縮みを防ぐために、ホルムアルデヒドが使われることがあります。
ホルムアルデヒドはさまざまな用途に!建材にはグレードも!
ホルムアルデヒドは、保存料としても知られ、エンバーミング(遺体保存)にも使われる強い化学物質です。
それから、良く知られている用途としては、建材があります。
ホルムアルデヒドは、合板材を作るときの接着剤や、防腐剤、塗料などにも使われていて、建物の内装材として使われていた場合、シックハウス症候群の原因にもなっています。
この社会問題にもなったシックハウス症候群に使われている化学物質と同じものが、衣類にも使われているわけですが、その特性(危険性)については、意外と知られていないようです。
現在、ホルムアルデヒドを含んでいる可能性のある建材は、告示対象建材となっていて、明示することが義務付けられています。
建材の場合、シックハウス対策のため、建築基準法によって、グレードごとに使用できる面積などの制限があります。
繊維製品へのホルムアルデヒドの制限
建材には制限が設けられているホルムアルデヒドですが、衣類にも制限が設けられています。
一般的に、肌に触れる繊維製品(くつした、寝衣、手袋等)には75 ppm以下という基準が設定されています。また、かつら、つけまつげ等に使用される接着剤にも同じ基準が適用されています。
しかし、衣類での用途範囲は広く、防しわ性、防縮性などの加工剤としてだけでなく、絵柄・絵文字などのプリントの塗料などにも幅広く使われています。
このホルムアルデヒドは、とても刺激性が強く、揮発しやすい性質を持つ化学物質です。
そのため、1枚の衣類が強いホルムアルデヒドで加工されていた場合、周囲の衣類にも吸着されてしまうことがあります。
ホルムアルデヒドを含んだ衣類に肌が接触すると、敏感肌やアレルギー体質の方の場合、湿疹や痒みなどの症状がでることがあり、最悪、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあります。
新しいTシャツで皮膚のかぶれに!
2016年9月に、神奈川県で開催されたマリンスポーツの大会で、主催者が配ったTシャツで、選手達がひどい皮膚かぶれの症状を起こしました。
その時の選手のカラダの画像を見ましたが、選手の胸から腹部、脇から上腕部にかけて、全面が紫色に近く変色して、あきらかにアレルギー反応が出ている様子でした。
着ていたTシャツの形そのままが、そのままシルエットとして写し取られたように!
その時の原因物質は、ホルムアルデヒドではなく、塩化ジデシルジメチルアンモニウムが疑われていましたが、結論は確認していません。
いずれにしても、衣類を正札やタグを外しただけで、新品のまま着るのは避けたほうがよさそうです。
私は、衣類を新品のままでは、なるべく着用しないようにしています。
アレルギー体質で、肌が敏感なこともありますが、“どんな化学物質が使われているかわからない”衣類をそのまま着るのは、危険だと考えています。
特に、下着やTシャツなどは、必ず洗濯してから着用します。新品をそのまま着たいという方がいらっしゃるかもしれませんが、“転ばぬ先の杖”です。
お肌の手入れを十分におこなったあとで、好きな下着を選んで身に着けたら、ひどい湿疹に...、では泣くに泣けませんね。
化粧品はお肌との相性を確かめて!
化粧品は、肌に直接付けますから特に気を付ける必要があります。
シャンプーも、香料がきつい、肌に刺激がある、頭にカユミが残るなど、市販の商品がすべて肌にあうとは限りません。成分によって、合わない方もいらっしゃるので、注意が必要です。
化粧品メーカーが、できるだけお肌への刺激が少ない成分にこだわる理由は、そのようなトラブルを避けるためです。
とくに頭皮は、皮膚から成分が吸収されやすく、トラブルの原因になりやすいようです。頭皮ケアの化粧品が、なるべく刺激の少ない成分を選んでいるのには、そんな理由があります。
乾燥する季節には、クレンジングや洗顔後のスキンケアが、とても重要です。アレルギー症ではなくても、乾燥肌や敏感肌の方は、肌トラブルになる可能性があります。
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化粧品やサプリメントは、美容や健康のためのケアに効果的ですが、すべての方に合うとは限りません。かならず、お肌の状態、体調などを確認しながらお使いいただくことをおススメします。