コーヒーのクロロゲン酸・赤ワインに劣らないポリフェノール!
新緑が少しづつ色濃くなって、若葉が芽吹いたころの印象は、徐々に薄れていきます。
これからは、日差しの強さにともなって、どんどん深い緑になっていきます。
植物にとって、緑が濃くなることは、紫外線などの外部刺激から身を守る大切な手段。熱帯地方の植物の葉の色が濃いのも、身を守るため。
この大切な役割をになっているのが、“ポリフェノール”。ポリフェノールの大事な役割が、紫外線から身を守ること。
そして、もう一つの役割が、紫外線によって発生する活性酸素を消すことです。つまり、抗酸化作用ですね。
ポリフェノールの種類は8000種類以上もあると言われていますから、
植物の種類だけポリフェノールの種類もある、と考えてもいいかもしれません。
抗酸化作用で知られる赤ワインのアントシアニン、カレーの材料ウコンに含まれるクルクミン、緑茶のカテキンなど、これらはすべてポリフェノール!
コーヒーに含まれているクロロゲン酸もポリフェノールの一種で、さまざまな効果があることがわかってきました。
赤ワインにも負けないコーヒーのポリフェノール含有量
赤ワインは、ポリフェノールを多く含む食品の代表格として、お酒を飲まない方にもよく知られています。
そんな赤ワインに劣らないポリフェノール量を誇るのが、コーヒー。下表は、おもな飲み物100g(mL)当りのポリフェノール含有量を比較したものです。
食品 | ポリフェノール含有量(㎎) |
赤ワイン | 230 |
コーヒー | 200 |
緑茶 | 115 |
紅茶 | 96 |
ココア | 62 |
ウーロン茶 | 39 |
豆乳 | 36 |
麦茶 | 9 |
この表からも、クロロゲン酸を多く含むコーヒーのポリフェノール含有量が、赤ワインと比較しても優れていることがわかります。
日本人の場合、アルコールが飲めなかったり、体質に合わない人が多いですが、コーヒーとの2択なら簡単に摂ることができそうですね。
さらに、コーヒーポリフェノールと茶ポリフェノールでは、吸収されるポリフェノールは、コーヒーポリフェノールのほうが有意に多いという研究結果もあるとのこと。
ちなみに、一般的に理想的と言われるポリフェノール摂取量は、1日1000mg~1500mg以上と言われています。
他の食品からの摂取を併せて考える必要がありますが、現在日本人女性の平均摂取量は800mg程度(※ネスレ調べ)との調査結果もあり、コーヒーなら1~3杯足りない計算でしょうか。
クロロゲン酸・脂肪の蓄積をおさえる効果
クロロゲン酸で注目されるのが、脂肪の蓄積をおさえる効果で、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品に配合され、つぎのような効果をうたっています。
- 食後の血糖値上昇を緩やかにする
- 内臓脂肪や体重の減少を助ける
- 高めのBMIの改善に役立つ
- 脂肪を消費しやすくする
”体重の減少を助ける”というと、脂肪の吸収を妨げるはたらきがあると思いがちですが、クロロゲン酸はその逆で、細胞内のミトコンドリアへの脂肪の取り込みを促進するようです。
脂質は、運動をおこなうときに必要な筋肉を収縮させるためのエネルギー源ですが、細胞でこのエネルギーをつくり出しているのが、ミトコンドリアです。
クロロゲン酸は、ミトコンドリアが脂質を効率よく燃焼するようにはたらくことで、結果的に体脂肪が低減することになります。
クロロゲン酸・コーヒーなら何杯飲めば良い?
ネッスルのホームページでは、コーヒーなどのポリフェノール量の多い食品の摂取と疾患リスクとの関連から、1日にコーヒーを飲む量について次のように説明しています。
1日の摂取量は1,000~1,500mg以上(1杯当たり150mLのコーヒーなら3~5杯分に含まれる量)がよいという提案がされている
さまざまな食品からのポリフェノールの摂取量について、御茶ノ水女子大グループがおこなった研究では、コーヒーからの摂取量がとても多いことがわかります。
首都圏の主婦109人を対象に調査を行った結果、ポリフェノールの約80%は飲料から摂取され、さらに全体の約50%をコーヒーが占めているとのこと。
クロロゲン酸・コーヒーの生豆に多く含まれる
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、生豆にもっとも多く含まれています。
焙煎が深くなるほど、クロロゲン酸の含有量が減っていくそうですから、できれば朝煎り(アメリカン)で飲むのがおすすめです。
血糖値の上昇が気になる方は、もちろん砂糖・クリームは無し。アメリカンなら、コーヒー豆本来の香りや味がそのまま楽しめます。
コーヒーによるポリフェノール摂取・妊婦さんはカフェインの摂り過ぎに注意!
コーヒーを飲むことで、ポリフェノールであるクロロゲン酸をおぎなうことは健康のためにもおすすめですが、妊婦さんは要注意!
コーヒーに含まれるカフェインは、妊娠初期において、自然流産のリスクを高めるとの報告があります。
これは、妊婦さんでは、カフェインの代謝が遅れるだけでなく、カフェインが胎盤を通過して、胎児に移行しやすいためだそうです。
カフェインは、コーヒーだけでなく、お茶(とくに玉露)、紅茶、ウーロン茶にも含まれますから、全体の摂取量で考える必要があります。
とくに、ウーロン茶は、1回に飲む量が多くなりがちなので、コーヒーより摂取量が多くなってしまうことも。
コーヒーだけなら、1日3杯以内でOKだそうですが、お茶やウーロン茶をあわせて飲む方は、妊娠初期には注意したほうがよさそうです。