<ビタミンC>風邪の予防には効かない!?・・スキンケアには?
ビタミンCには、抗酸化作用があり、免疫力がアップするはたらきがあると言われています。
必須ビタミンとして、体のさまざまな組織で重要なはたらきをすることが知られていますが、その効果について明らかになっていない点が多いようです。
国内・海外の研究でも、ビタミンCのさまざまな効果について意見が分かれることも。
”ビタミンCが風邪の予防になる”との話はよく聞きますが、実際には、”予防にはならない” とする説が有力なようです。
ビタミンCには免疫力がアップする作用があるのだから、風邪の予防にならないのはナゼ、と思う方も多いと思います。私も含めて。
”ビタミンCが風邪予防に効く”の誤解はどこから?
ビタミンCが風邪への予防になると言われるようになったキッカケは、1970年代に、ノーベル賞を受賞したビタミンの権威、ライナス・ポーリング博士が、その効果を発表してからのこと。
ビタミンの権威の説ですから、たちまち世界中の話題に。日本では、”ビタミンCは風邪の予防になる” が当たりまえに信じられてきました。
しかし、その後研究が進むにつれ、ビタミンCは風邪の予防には効果が無いとの説が有力になりました。
厚生労働省の医療関係者向けの海外情報のなかでも、”風邪の発症率が減少することは示唆されていない” と説明があることから、”ビタミンCが予防になる”との説は、現在では否定されていると考えるべきでしょう。
風邪の症状に効果がないわけじゃない!
残念ながら、定期的にビタミンCを摂っていても、風邪にかかる確率は、摂っていない人と変わらないとのこと。
”予防”には効果がないビタミンCですが、定期にビタミンCを摂取していた人は、風邪の症状が軽くて済んだり、早く治る可能性があるとのこと、風邪の症状そのものに効果がないわけではありません。
風邪をひいてから飲んでも効かない
ビタミンCの効果を活かすには、風邪をひいてからサプリメントを飲んだのでは、手遅れ。
日ごろ定期的に摂取していれば、風邪を引いたときに長引かない、重症化しないということ。
風邪をひいてから、ビタミンCを飲み始めても効果はありません。つまり、ビタミンCの定期的な摂取によって、体の免疫機能が高まっていると考えられます。
皮膚の防御システム・2重の機能
ビタミンCは、皮膚の線維芽細胞がコラーゲンを作り出すときに、なくてなならない成分です。
ビタミンCが不足すると、皮膚の状態が悪くなるので、皮膚本来の防御機能が発揮できなくなります。
皮膚には、外部からの異物(ウィルスや細菌など)から体の内部を守るための機能が、2重に備わっています。
表皮の角質層では、ウィルスや細菌の侵入を物理的に防いでいますが、さらに侵入してくると、第2の防御システムとして、ランゲルハンス細胞と呼ばれる樹状細胞が、ウィルスや細菌の情報を免疫細胞に伝えます。
免疫細胞は、ランゲルハンス細胞からの情報をもとに、ウィルスや細菌をやっつけます。
風邪が治るまでの期間が短くてすむ、あるいは軽い症状で治まるということは、皮膚の状態が健康だから免疫機能が十分はたらいているとも考えられます。
スキンケアは時間がかかる
皮膚のターンオーバーのサイクルは28日、約1ヶ月ですが、年齢とともに長くなっていきます。
一般的には、年齢×1.5(日)と言われていますから、40歳なら約2ヶ月かかることに。
年齢とともに、スキンケアによる効果があらわれるのが遅くなりますから、できるだけ早目にケアを始めるのがポイント。
多くの美容液には、ビタミンCが配合されていますが、皮膚の免疫機能との関係を考えると、単に”美容にいいから” というだけではないのかもしれません。
皮膚の外側からのビタミンC
スキンケアのための化粧品のなかには、【医薬部外品】としてL-アスコルビン酸(ビタミンC)を配合し、「効能評価試験」をおこなっているものがあります。
乾燥による小じわに対する効能評価試験ですが、外側からのケアでは、他の有効成分を含めて、効果が期待できるのは角質層までとされています。
しかし、小じわの原因は表皮にあることが多いので、これらの小じわに対しては、L-アスコルビン酸(ビタミンC)を配合した【医薬部外品】によって、外側からのケアが期待できることになります。
また、表皮のメラノサイトで作られるメラニンについても、外側からのケアが有効です。
コラーゲンの生成に必要なビタミンC
骨や軟骨、血管などに多く含まれるコラーゲンの生成には、ビタミンCが重要な働きをしています。
これらに必要なビタミンCは、食事から摂るのが理想的ですが、日本人の平均摂取量は、推奨量には若干足りていないのが現状。
また、余計に摂っても、そのまますべてが体に吸収されるわけではなく、一部は体外に排出されてしまいます。
ビタミンCは安全性が高いので、厚生労働省では摂取上限量については定めていません。
ちなみに、厚生労働省の海外情報によれば、米連邦政府の「アメリカ人のための食生活指針2015-2020」では、19歳以上の場合、摂取上限量は 2000mg となっているようです。
摂り過ぎると、下痢や胸焼けなどの原因になることがあります。また、腎障害などの疾患がある場合、腎結石の原因になることもあるようですが、健康体であれば問題ないようです。
まとめ
ビタミンCは、シミ・シワを改善し、美白効果があることから、多くの化粧品に配合されています。
他の美容成分とあわせることで、ビタミンCとの相乗効果を期待した「化粧品」や「医薬部外品」が数多く発売されていますが、配合されている成分がかならずしも自分の肌に合うとはかぎりません。
お肌にやさしいと言われるのが、自然素材を原料とした成分を配合したコスメですが、シークワーサーやハイビスカスなどの沖縄の自然素材を使ったコスメが、今注目されています。
なかでもシークワーサーの果皮に多く含まれるノビレチンには、チロシナーゼの合成を阻害してメラニンの生成をおさることによる美白効果が期待されます。
いま使っている化粧品がお肌にあわないという方は、最近注目されている沖縄コスメ、一度ためしてみるとよいかもしれません。