「背中ニキビ」の原因と対策・悪化させやすいのはナゼ？

「背中ニキビ」は、なかなか気づきにくいため、悪化させてしまうことが少なくないようです。

思春期のニキビはおもに顔にできるので、鏡でチェックすれば早めにケアができます。でも自分の背中を見ることはないですし、さらにスキンケアの習慣もありませんから、「背中ニキビ」の発見と対応が遅れるのは当然かもしれません。

ニキビは、皮脂や汗、汚れが毛穴につまることによってできますが、とくに10代の思春期ニキビはホルモンバランスの変化による皮脂の増加が大きな原因になっています。

ニキビは、医学的には尋常性ざ創（じんじょうせいざそう）という皮膚疾患で、状態によっていくつかに分類されます。

ニキビは、毛穴に皮脂がたまったコメドと呼ばれる状態から、徐々に悪化して炎症がひどくなり、最後は膿（うみ）が溜まった状態になります。

ニキビの色の状態で、白ニキビ ⇒ 黒ニキビ ⇒ 赤ニキビ ⇒ 黄ニキビ のように進行します。

黄ニキビは、治ったとしても、凹み、クレーター、色素沈着などのニキビ跡となって残りやすいので、早い段階での適切なスキンケアがかかせません。

顔のTゾーンは皮脂腺が多くニキビができやすい場所ですが、背骨の両側にも皮脂腺が多く分布し、背中ニキビができやすい場所になっています。

背骨両側に分布する皮脂腺の周囲は、皮脂や汗などの分泌物が多いだけでなく、衣類による刺激もあり、かつ湿度が高いことが、背中ニキビができやすい環境をつくってしまうようです。

さらに、皮脂や汗などの分泌物によって汚れがつきやすく、ついた汚れを洗い落としにくいことも、一層背中ニキビをできやすくしています。

花王香料開発研究所の研究員によれば、皮脂腺は、頭など体の上部になるほど密度が高い傾向があり、かかとや手のひらがゼロであるのに対して、腹、背中、ほお、額、頭と上に行くに従って多くなるとのこと。

皮脂腺数は、背中を１とした場合、ほおでは約2倍、頭はさらにほおの約3倍になるそうですから、入浴時には十分意識して洗うことが重要です。

もちろん、ゴシゴシ洗い過ぎるのは、禁物！

皮膚にとって大きな刺激になるだけでなく、皮脂を落とし過ぎてお肌の乾燥につながります。お肌のターンオーバーのサイクルが乱れ、ますます背中ニキビができやすくなってしまいます。

一方「背中ニキビ」は、年齢や男性女性に関係なく、つぎのような原因によってもできると言われています。

不規則な生活習慣、過剰なストレス、睡眠不足などによって、ホルモンバランスが乱れると、お肌のターンオーバーのサイクルが乱れ、ニキビができやすくなります。

精神的なストレスが重なると、皮脂の分泌が増えるため、背中ニキビの原因に。もちろん、良質な睡眠の妨げもの。

バランスの悪い食生活は、お肌に必要な栄養素の不足につながり、バリア機能の低下や肌荒れなど、肌トラブルの原因に。

汚れといっしょになったシャンプーのすすぎ残しも、お肌にとっては大敵！洗うときのルールは、頭から下へが基本です。

これらは、皮膚への過剰な刺激や、お肌のターンオーバーのサイクルが乱れる原因になり、背中ニキビができやすい条件をつくってしまいます。

お肌が垢となって剥がれ落ちるまでのターンオーバーのサイクルは、年齢とともに長くなり、角質層が厚くなっていきますから、間違ったスキンケアを続けると、背中ニキビができやすくなるわけです。

背中ニキビと同じような場所にできるのが、「マラセチア毛包炎」。ネットの画像検索でわかるように、ニキビと似ていますがニキビではありません。

赤いブツブツが、背中に比較的均一に広がっていたら、マラセチア毛包炎かも。背中だけではなく、胸や肩などにもできます。

マラセチア毛包炎は、皮膚の常在菌である「マラセチア」という真菌（カビ）によって起こり、ニキビの治療薬は効きません。マラセチア毛包炎の治療には、マラセチアに効く抗真菌薬が使われます。

「背中ニキビ」は、思春期ニキビと違い、生活習慣や精神的ストレスなど、さまざまな要因が重なってできることが多いようです。

これらの要因が重なることによって、お肌のターンオーバーのサイクルが乱れ、バリア機能の低下にもつながりますから、背中ニキビはますます治りにくくなってしまうようです。

背中は、自分で見ることはできませんが、ファッション性が高い服や水着など、他人に見られる機会が多い部位です。

考えられる原因について、できることから改善し、背中ニキビのためのクリームを併用するなどして、ていねいなスキンケアでキレイな背中をつくりましょう。